世界の林業(1)

日本の林業では、スギやヒノキなどを植林してから50年以上の生長期間を過ぎてようやく収穫し、木材とすることができます。しかし50年といっても、1000年以上も生きる樹木にとっては、まだ子どものようなものです。

国によって異なる林業のスピード感

熱帯のベトナムでは、アカシアの仲間の造林が盛んですが、だいたい7年で伐採しています。それでも直径は30cm以上、樹高は15m以上にもなっています。


3年生のアカシア(ベトナム)

一方、亜寒帯のフィンランドでは、伐採されている直径20~30cmのマツの樹齢は200年を超えています。


200年を超えるオウシュウアカマツ(フィンランド)

林業にもまた、生育している場所の環境が大きな影響を及ぼしています。

熱帯で植栽されるアカシアはマメ科の樹木で、共生している根粒菌の働きによってやせ地でも育ち、しかも土にどんどん養分をためていきます。このために短期間の収穫の繰り返しが可能なのです。しかしラワン材として知られるフタバガキの仲間や、高級材のチークなどは、収穫するにはやはり100年以上の時間がかかります。

一方、フィンランドでは200年で伐採しても、人口が少ない割に森林が広いので、ゆったりと時間をかけて樹木が育ちます。

日本の森林面積を世界と比べると

ちなみに森林国といわれる国々の一人当たりの森林面積はカナダ9.7ha、ロシア5.7ha、フィンランド4.2haです。

日本は国土の66%が森林で、一見すると森林国のようです。しかし、一人当たりの森林面積はたった0.2ヘクタールで、世界平均0.6haの3分の1しかありません。

このために戦後に植林した木をどんどん利用するようになってきている今は、またせっせと植林しないと、将来、資源が枯渇してしまう運命が待っているのです。

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山本福壽

智頭の山人塾 塾長。鳥取大学乾燥地研究センター・特任教授。農学博士。2016 年より鳥取県智頭町に移住し、塾長に就任。

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